ギター屋を始めて、1年9ヶ月。
アコースティックギター専門店の店主として過ごす中で、
「自分が本当にほしいギターって何だろう?」と、ずっと考えています。
最近よく手に取って弾いているのが、SEAGULL by M.Shiozaki 0-50(USED)です。
シングルオーの小ぶりなボディに、630mmのミディアム・スケール。
ナット幅は44.5mm。
ネックシェイプはMartinの1937年モデルを踏襲した、やや三角の形状で、ボディ側に向かうにつれて少しずつ太くなっていきます。
このサイズ感のおかげで、とても抱えやすく、自然と手が伸びる一本です。
トップには、トリファイド加工が施されたアディロンダック・スプルースを使用。
ブレーシングはスキャロップ。
新品にも関わらず、最初から心地よく鳴ってくれるのが印象的です。
たとえば、Eのローコードを鳴らしたとき。
6弦の低音や1弦の高音が主張しすぎることなく、5・4・3・2弦が箱の中でふわりと膨らむように響き、そのまままとまって身体へスッと入ってきます。
弾く人の、腹のあたりから振動が広がり、その余韻が体全体に染み込んでいく——
そんな感覚を味わえるギターです。
アコースティックギターの魅力のひとつは、この“静かな感覚”を、ひとりでじっくり味わえること。
時間を忘れて弾いていられます。
ヴィンテージ・マーティン研究家として高く評価される、塩﨑雅亮さん。
SEAGULL by M.Shiozaki は、塩﨑さんが設計から加工、ボイシングに至るまで徹底監修し、とくにトップとバックのボイシングは、すべて塩﨑さん自身の手で仕上げられています。
Made in Japanでいいギター。
つい、手に取って弾いてしまいます。